さて、昨日の国菌(こっきん)であるコウジ菌の話に続き、
今日は「発酵食品」の話をしたいと思います。
発酵食品の話の前に、そもそも発酵とは、「腐敗」=腐ることとはどう違うのでしょうか。
同じ点は、微生物が作用するという点。
違う点は、微生物の種類、微生物の分解する物質、作用の結果生まれるものの性質が違います。人間にとってよい作用である「発酵」。発酵によって生まれる発酵食品は、食材の栄養価を高め、消化を促進し、免疫力をアップさせ、疲労回復にも効果がある。
すばらしいことづくめです。では発酵食品の働きとはどんなものなのか、
もう少し詳しく見ていきましょう。
発酵食品には、次のような作用があります。
1)食材の栄養価を高める
これはほんの1例ですが、ゆでた大豆と発酵食品である納豆を比較した場合、ビタミンKの含有率は納豆のほうが100倍!
2)うまみ成分を高める
納豆の例でいうと、発酵により独特の味と香りが生まれますが、これはタンパク質が分解されてうまみ成分のグルタミン酸が生成されることによります。そういった作用がいろいろな食材と菌によって働くことで「おいしい」と感じるものになります。
3)保存性が高くなる
微生物は、食品中にある一定以上ふえることで、腐敗菌である悪玉菌をやっつけていきます。それで腐敗しにくくなり、保存性が高まります。
4)食材の栄養をスムーズに体に吸収させる
発酵食品は微生物の働きによって栄養素が分解されているので、消化吸収のしやすい状態にすでになっています。
5)腸内環境を整える
コウジ菌、納豆菌、酵母菌、乳酸菌など「善玉菌」が豊富に含まれている発酵食品は、腸の中の「腸内フローラ」という集団の活動を促進します。
6)免疫細胞を活性化させ免疫力を高める
体内の免疫細胞の、約70%が小腸の壁にありますが、善玉菌はそこを通過するときに、免疫細胞を活性化させるボタンを次々押していく作用があることが最近の研究で判明しています。持病がわかっている人も、今は特に病気はない、という人も、人間の体は常にプロセスの途中にあります。日々摂取する食の習慣、大きくは生活習慣すべてによって身体は常に、徐々に変わっていきます。変わっていくのだから、変えていけるのだから、少しでもよい方向に変えていきましょう。
お味噌、しょうゆ、チーズ、ヨーグルト、漬物、日本酒、納豆、キムチ。
塩分の多いものに注意しながら、
発酵食品を積極的に摂りたいですね。
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