女性の体調を左右する大切な3本柱、
自律神経、免疫、ホルモン。
そのホルモンの、とくに「女性ホルモン(エストロゲン)」が、加齢によって大きくゆらぎながら減少していく時期のことを「更年期」とよび、そのときにあらわれる不調のことを「更年期症状」とよび、日常生活に支障をきたすほどの不調のことをとくに「更年期障害」とよぶのだそうです。
更年期の不調は、「3つの因子」が複合的に関与していると言われています。
1つめは、加齢による「身体的因子」。
2つめは成育歴、性格など「心理的因子」。
3つめは、仕事場や生活環境などの「社会的因子」。
これらすべてからまりあって症状が出るため不調の程度、症状は本当に人それぞれ、異なります。
具体的にどんな症状があるかというと、これもまた3つに分類されるといいます。
1つめは、ほてりやのぼせ、熱などの血管の拡張と放熱に関係するもの。
2つめは、気分の落ち込みやイライラなどメンタルの不調。
3つめは、頭痛、肩こり、関節の痛み、冷え、だるさなどの身体的不調。
人によって、「のぼせとほてりばかりひどかった」という人、「首の後ろにかいたことのない変な汗がびっしょり」な人、「体はそうでもないけれどイライラがすごくて、家族に怒鳴ってばかりいた」という人、「更年期の症状という症状がぜんぶ一通り来た」という人もおられます。毎月のPMSや生理の調子のなかで「おや?」と思うような不調があったら、
一度は婦人科に足を運ぶことをおすすめします。隠れているよくない病気がないか調べるためにもぜひ。産婦人科は近くにあるけれど婦人科やレディスクリニックはない、という方は産婦人科でも大丈夫です。
不調の内容、症状の中身を問診してもらい、生活習慣の改善など具体策を聞かせてくれることが多く、「病気ではないので様子見」、という診察もありますが、もう一歩踏み込んでくれるお医者さんを探してみてください。更年期の平均期間である45歳〜55歳の間であれば、保険適用でホルモン補充療法(HRT)を受けることが可能です。
もちろん個人差があり、持病のあるなしにもよります。ホルモン補充療法というのは、減少するエストロゲンを少量、体に補うこと。主にほてりやのぼせ、発汗など熱に関する症状の緩和に有効とされています。飲み薬だけでなく、ジェルを太ももに塗るタイプなど楽しく選ぶこともできる婦人科もあります。
漢方薬を扱う婦人科なら、「当帰芍薬散」「加味逍遥散」「桂枝茯苓丸」などを症状やその人の体力やメンタルにあわせて処方してくれます。イライラや落ち込みなどメンタルの不調にも有効な処方もあります。家族に八つ当たりをしてしまってあとで心苦しくて自己嫌悪になる…といった方はぜひ、メンタルだからガマンすればよいと思うのは間違い。メンタルだからこそ和らげてくれるものに頼りましょう。
更年期を乗り切るまでの数年の間を、できるだけ快適に過ごせるよう、
ぜひ、自分の話を親身になって聞いてくれる婦人科の先生を見つけることから始めてみてください。
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* * 編集後記 * *
「自分の食習慣を見直そう」、と考えたとき、かんたんな方法があります。
「減らす」と「摂る」のグループ分けです。
これまで多く食べ過ぎてきたであろうものを「減らす」。
たとえば、
・甘いものを減らす
・炭水化物を減らす
・白く精製されたものを減らす
・揚げ物を減らす
・塩分を減らす
・調味料を減らす
・お酒を減らす
・食べる量を腹八分目に減らす
・食品添加物を減らす
など。そして、これまできちんと摂れていなかった栄養を
積極的に「摂る」。
たとえば、
・野菜を摂る
・青魚を摂る
・きのこや海藻類を摂る
・果物を摂る
・お酢・だし・ハーブを摂る
・こまめに水分を摂る
など。
食事の際に、この「減らす」と「摂る」のグループ分けをして、
食習慣のベクトルをぐっとよい方向へ動かしていきましょう。
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